
閉店のその前に!あなたの飲食店、そのまま売却で利益に変えませんか?
「お店を畳もうと決めたが、何から手をつけていいか分からない」
「飲食店の閉店を決断したが、多額の閉店費用がかかるのでは…」
そうお悩みではありませんか?
経営者として苦渋の決断をされた今、少しでも経済的負担を減らし、次のステップへとスムーズに進みたいと願うのは当然です。
しかし、何も知らずに賃貸契約を解約してしまうと、想像以上の損失が発生する可能性があります。スケルトン工事だけで数百万円、解約予告期間中の空家賃、産廃処理費用……これらが積み重なり、閉店するだけで大きな赤字になってしまうケースは珍しくありません。
一方で、適切なサポートと「店舗そのまま売却」の手法を活用することで、状況は大きく変わります。ある飲食店では、本来100万円以上の損失が発生するところを、居抜き売却を活用することで、なんと400万円以上の利益に転換した事例もあります。
本記事では、飲食店の閉店にかかる費用の全体像から、居抜き売却・M&Aによる損失回避の方法、賃貸借契約書の確認ポイント、行政手続きの流れまでを、順を追って丁寧に解説します。「閉店」という決断を、できる限り次への糧に変えるために、ぜひ最後までお読みください。
まずは概要だけ確認したい方は、以下のサマリーをご覧ください。
【10秒でわかる】飲食店の閉店費用・手続きサマリー
■ 閉店費用の目安
スケルトン工事・空家賃・産廃処理などを合計すると、小規模店舗でも100万円以上、規模によっては500万円超になるケースも。
■ 費用を抑える最善策は「居抜き売却」
貸主の承諾を得て居抜きで引き渡せば、スケルトン工事費用がゼロになるだけでなく、造作譲渡金(都内10〜30坪で50〜300万円程度)を得られる場合も。
■ 動き出すタイミングが最重要
居抜き売却には平均3〜6ヶ月必要。大家さんへの解約通知を出す前に専門業者へ相談しないと、空家賃が膨らむリスクがある。
■ 閉店手続きの主な届け出先
保健所(廃業届)・税務署(廃業届)・ハローワーク・労働基準監督署。廃業届は廃業日から1ヶ月以内に提出が必要。
■ 結論
「ただ閉店する」より「居抜きで売却する」方が、費用負担を大幅に減らせる可能性が高い。動き出しが早いほど選択肢が広がる。
「自分の店は居抜きで売れるか?」「閉店費用はいくらかかる?」まずは無料で診断します。
それでは早速、本編に進みます。
飲食店の閉店費用はいくらかかる? 全体像と相場を把握する

昨今の物価高、従業員確保困難な状況など、市場の変化や経営戦略の見直しにより、閉店を検討せざるを得ない状況に陥ることもあると思います。閉店を決断することは、経営者にとって非常に難しい選択であり、精神的に大きな負担となります。さらには、賃貸借の契約条項によっては、スケルトンにしなければいけないなど、費用的にも大きな負担になる場合もあります。
まずは「閉店するとどれくらいの費用がかかるのか」という全体像を把握することが、損失を最小限に抑えるための第一歩です。
通常閉店で発生する費用の内訳と相場
飲食店を通常どおり閉店した場合、以下のような費用が発生します。これらは「閉店するだけ」でかかるコストであり、何も対策をしなければそのまま損失になります。
| 費用項目 |
目安 |
備考 |
| 原状回復・スケルトン工事 |
坪10〜20万円 |
30坪なら300〜600万円になることも |
| 解約予告期間中の空家賃 |
月額賃料×3〜6ヶ月分 |
動き出しが遅いほど膨らむ |
| 産廃・廃棄物処理費用 |
10〜30万円程度 |
厨房機器の廃棄を含む場合は増加 |
| リース残債の一括精算 |
契約による |
設備のリース期間が残っている場合に発生 |
| 従業員の退職金・未払い賃金精算 |
人数・勤続年数による |
労働基準法に基づく対応が必要 |
| 備品・在庫の廃棄費用 |
数万〜数十万円 |
買取に出せるものは査定を |
| 厨房機器・備品の買取(収入) |
数万〜数十万円 |
査定次第で廃棄費用を相殺できる場合あり |
これらを合計すると、小規模な店舗でも100万円以上、規模によっては500万円を超えるケースも珍しくありません。ただし、厨房機器や備品の買取収入で一部を相殺できる場合もあります。だからこそ、「ただ閉店する」のではなく、買取・居抜き売却などを組み合わせて費用を最大限に抑える方法を検討することが重要です。
最大のコスト「原状回復(スケルトン工事)」の痛手
閉店費用の中でも特に高額になりやすいのが、物件を借りた当初の状態(スケルトン=コンクリート剥き出しの状態)に戻す工事費用です。
インターネット上では「1坪あたり5万円」と謳う業者も見受けられますが、過去の事例を見ると、1坪あたり10万円から20万円かかるのが相場です。30坪の店舗であれば、それだけで300万円〜600万円の出費になります。
また、安価な業者に依頼してしまうと、貸主が求めるレベルに達せず、追加の是正工事が必要になるケースも多くあります。業者選びは費用だけで判断せず、実績と対応力を慎重に見極めることが重要です。
さらに、「スケルトン」の定義は契約や貸主によって異なります。防水区画が残っていてもスケルトンとする場合や、床の斫り(はつり)後の仕上げまでを求める場合など、認識のズレがトラブルの原因になります。解約通知を出す前に、貸主または管理会社と具体的な「スケルトンの状態」を確認することが不可欠です。
まずは自店舗の閉店費用の概算や、売却の可能性を知りたい方は、お気軽に無料査定・ご相談ください。
閉店費用を利益に変える「店舗売却(居抜き・M&A)」という選択肢
前章でお伝えした通り、通常の閉店では多額の費用が発生します。しかし、「店舗売却」という手法を活用することで、これらのコストを大幅に削減できるだけでなく、場合によっては閉店費用を上回る利益を得ることも可能です。
費用を抑えて現金化する「居抜き売却(造作譲渡)」
居抜き売却とは、店舗の内装や厨房設備などをそのままの状態で次のテナントに譲渡する方法です。物件を原状回復せずに引き渡せるため、高額なスケルトン工事費用が不要になります。さらに、内装・設備を「造作譲渡金」として現金化できるため、閉店費用の補填どころか、利益を生み出すことも十分に可能です。
居抜き売却の主なメリットは以下の3点です。
- 原状回復費用がかからない
貸主の承諾を得て居抜きで引き渡せれば、数百万円規模のスケルトン工事費用がそのまま削減されます。
- 造作譲渡金を得られる
内装・厨房設備・家具などを資産として売却できます。立地や設備の状態によっては、都内10〜30坪の店舗で50万円〜300万円程度の譲渡金を得られるケースもあります。
- 空家賃のリスクを軽減できる
居抜きで次のテナントをスムーズに見つけることができれば、解約予告期間中の空家賃負担を最小限に抑えることができます。
自分の飲食店はいくらで売れる? 査定相場と高く売るポイント
「自分の店はいくらになるのか」は、多くのオーナー様が最も気になるところです。居抜き売却の査定額は、主に以下の3つの要素で決まります。
- 立地
最も価格に影響する要素です。駅近・1階路面店など集客が見込める立地であれば、買い手からのニーズが高く、高値がつく傾向があります。逆に空中階や駅から遠い物件は、設備が新しくても価格が伸び悩むことがあります。
- 厨房設備の充実度
エアコン・ダクト・防水・給排水設備など、厨房環境の状態が査定額を大きく左右します。「そのまま営業を始めやすいか」が買い手の判断基準になるため、内装のこだわりよりも設備の機能性が重視されます。
- 清潔感
立地や規模は今から変えることができませんが、清潔感は今からでも高めることができます。厨房の油汚れを落とし、整理整頓された状態で査定に臨むだけで、評価が変わることがあります。
【実例】スケルトン戻しを回避して400万円超の利益転換に成功した事例
ある飲食店では、退去時にスケルトン工事が必要と見込まれており、その費用が250万円以上になる予定でした。しかし、居抜き売却を活用したことで工事費用がゼロになり、さらに造作譲渡金として150万円以上を得ることができました。結果として、支出するはずだった250万円がなくなり、150万円の収入を得たため、合計で400万円以上のプラス効果が生まれました。
※実際の査定額は店舗の状況により異なります。まずはお気軽にご相談ください。
知っておくべき「手残り金額」の現実(税金・手数料)
居抜き売却で200万円の譲渡金が得られたとしても、その全額が手元に残るわけではありません。最終的な手残り金額を把握するために、差し引かれる費用を事前に理解しておきましょう。
- 消費税
店舗の内装や設備(造作)を売却して得た代金は、消費税の課税対象となります。受け取った代金には消費税が含まれているため、後日納税が必要になります。
- 仲介手数料
専門業者に依頼した場合、成功報酬として手数料が発生します。一般的には売却額の一定割合、または最低手数料が設定されています。
- 譲渡所得にかかる税金
個人事業主の場合、売却益は譲渡所得として扱われ、確定申告が必要です。法人の場合は法人税の計算に含まれます。これらを把握せずに売却金額を使い込んでしまうと、後から納税に困るケースもあるため、事前に税理士に相談しておくことをお勧めします。
さらに高く売りたい・従業員を守りたいなら「事業譲渡(M&A)」
居抜き売却が「物件・設備の売却」であるのに対し、事業譲渡(M&A)は店舗の営業権・スタッフの雇用・顧客基盤・経営ノウハウまでを含めて譲渡する方法です。黒字経営の店舗や、複数店舗を展開している場合に特に有効な手法です。
事業譲渡の売却価格は、一般的に「時価純資産+営業利益×2〜5年分」で算出されます。たとえば時価純資産が500万円、営業利益が200万円の場合、相場は900万円〜1,500万円となり、居抜き売却と比べて大幅に高い金額での売却が期待できます。
また、従業員の雇用や取引先との契約を維持したまま経営権を移転できるため、「長年一緒に働いてきたスタッフの仕事を守りたい」「お店の歴史や味を残したい」という経営者の想いに応える手法でもあります。
個人事業主の方は事業譲渡のみ利用可能で、法人の場合は株式譲渡という方法も選択肢に加わります。どちらが適しているかは状況によって異なるため、専門家への相談をお勧めします。
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【重要】飲食店の閉店・売却スケジュールは「逆算」がカギ

閉店を決断したとき、多くの経営者が「まず大家さんに連絡しなければ」と考えます。しかしこの順序が、大きな損失を生む原因になることがあります。閉店・売却を成功させるためには、「解約通知を出す前」に動き始めることが絶対条件です。
売却には平均3〜6ヶ月必要!早めの行動が空家賃を防ぐ
居抜き売却にかかる期間は、平均して3ヶ月から6ヶ月程度です。どんなに早くても1〜2ヶ月は必要だと考えてください。これは、買い手を見つけるだけでなく、貸主への承諾取得や契約手続きに一定の時間がかかるためです。
ここで重要になるのが、現在の賃貸借契約に定められた「解約予告期間」です。事業用賃貸借契約では、解約の3ヶ月前や6ヶ月前に予告をしなければならないと定められているケースが多く見られます。
たとえば、解約予告期間が6ヶ月前であるにもかかわらず、閉店の1ヶ月前に動き出したとします。この場合、次のテナントが見つかるまでの家賃(空家賃)を払い続けなければならないリスクが生じます。月額賃料が30万円であれば、それだけで数ヶ月間で100万円以上の無駄な出費になりかねません。
理想的な動き方は以下の通りです。
- 閉店を決意した段階で、すぐに専門業者へ相談する
解約予告を出す前に次の入居者(買い手)を見つけることができれば、空家賃の発生を防ぎ、スムーズな引き渡しが可能になります。「逆算して動くこと」が、居抜き売却成功のカギです。
- 「相談」と「解約通知」は別物と認識する
管理会社への連絡は、まず「相談」という形で行うことが重要です。解約通知と受け取られてしまうと、原状回復を前提とした手続きが進んでしまい、居抜き売却の交渉が難しくなる場合があります。この点については次章で詳しく解説します。
飲食店の閉店・売却でやることリスト|大まかな流れと手順
閉店から売却・引き渡しまでの全体像を把握しておくことで、各手続きをスムーズに進めることができます。以下にロードマップをまとめました。
| ステップ |
内容 |
タイミングの目安 |
| ① |
賃貸借契約書の確認 |
閉店決断と同時に |
| ② |
専門業者への相談・査定依頼 |
できるだけ早く(解約通知前) |
| ③ |
管理会社への「相談」と居抜き承諾の取得 |
解約通知前に必ず |
| ④ |
買い手の募集・内覧対応 |
承諾取得後すぐに |
| ⑤ |
売却条件の交渉・造作譲渡契約の締結 |
買い手決定後 |
| ⑥ |
関係各所・行政機関への届け出 |
閉店日に向けて並行して進める |
| ⑦ |
物件の引き渡し・契約解約 |
売却完了と同時に |
これらの手続きは同時進行で進めることが求められます。特に②と③は、①の契約書確認と並行して早期に着手することが、スケジュール全体をコントロールする上での最重要ポイントです。
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損しない店舗売却の第一歩「賃貸借契約書の徹底確認」

店舗売却や飲食店の閉店を検討する上で、賃貸借契約書は最も重要な書類です。特に以下の3つの条項は、閉店費用や売却金額に大きく影響するため、入念に確認する必要があります。解約通知を出す前に、必ずこの章の内容を押さえておいてください。
期間内解約と解約予告の申し入れ方法
契約期間内に解約する場合のルールが記載されています。ここで確認すべきは、「貸主に対して何ヶ月前までに解約の申し入れをすれば良いか」という点です。事業用賃貸借契約では、3ヶ月前や6ヶ月前というケースが多く見られます。
また、解約の申し入れ方法も重要です。多くの場合「書面により」と記載されているため、解約通知書を貸主に提出することで、契約書に記載された期日(例えば3ヶ月後や6ヶ月後)に解約が成立します。
ごく稀に口頭での申し入れが可能とされている場合もありますが、後々のトラブルを避けるためにも、必ず書面で記録を残すことを強くお勧めいたします。民法上は口頭での申し出でも契約が成立すると解釈されることがありますが、証拠が残らないため、書面でのやり取りが必須です。
また、急な閉店が必要な場合のために、「即時解約」に関する条項も確認しておきましょう。多くの場合、解約予告期間分の賃料や共益費相当額を支払うことで即時解約が可能とされています。この条項を理解しておくことで、予期せぬ事態にも冷静に対応できます。

※契約書の一例
飲食店の明け渡し時に必要な原状回復・スケルトン工事とは
ここには、解約日(契約終了時)に貸主に返す物件の状態について記載されています。ここで最も注意すべきは、「原状回復」と「スケルトン」というキーワードです。
- 原状回復:貸室を借りた当初の原状に復することを指します。しかし、「どこまで、どの状態まで回復することが必要なのか」が契約書に曖昧に記載されているケースが少なくありません。契約時に詳細を取り決めることが理想ですが、もし曖昧な場合は、解約通知を出す前に貸主または管理会社と具体的な範囲を確認することが非常に重要です。この確認を怠ると、後から追加費用を請求されるリスクがあります。
- スケルトン:コンクリート剥き出しの状態を指すことが一般的です。しかし、この「スケルトン」にも明確な定義はなく、防水区画が残っていてもスケルトンとする場合や、床の斫り(はつり)後の仕上げまでを求める場合など、貸主や管理会社によって認識が異なることがあります。こちらも解約通知を出す前に、貸主または管理会社と綿密な打ち合わせを行い、具体的な「スケルトン」の状態を確認することが不可欠です。
前章でもお伝えした通り、スケルトン工事の費用は1坪あたり10万円から20万円が相場です。30坪の店舗であれば300万円〜600万円になることもあります。だからこそ、この条項の内容を正確に把握し、貸主とのコミュニケーションを密にすることが、損失を最小限に抑えるための重要なステップとなります。
居抜き売却を左右する「特約条項」
「期間内解約」や「明渡し」の条項は、一般的な雛形が用いられることが多く、基本的な文章が変わることは稀です。しかし、これらの詳細な内容や、解約時に居抜きでもよしとする条項が記載されているのが「特約条項」です。
居抜き売却を希望する場合、この特約条項に「居抜きでの明け渡しが可能」あるいは「後継テナントを探して良い」といった旨が明記されているかどうかが非常に重要になります。
特約条項は個別の合意事項を記載する部分であるため、もし居抜きでの売却を考えているのであれば、契約時に特約として盛り込むか、閉店を検討し始めた段階で貸主に相談し、特約追加の交渉を行うことも視野に入れましょう。この部分が、あなたの飲食店売却の成否を分けるカギとなります。
なお、特約条項に居抜き売却の記載がない場合でも、貸主との交渉次第で認めてもらえるケースは多くあります。貸主にとっても、次のテナントがスムーズに決まることで空室期間を短縮でき、安定した家賃収入を確保できるメリットがあるからです。交渉に不安がある場合は、専門業者に同席・代行してもらうことも有効な手段です。
契約書の内容が複雑で分からない・貸主との交渉が不安な方も、フードコネクションがサポートします。お気軽にお問い合わせください。
トラブルを避ける!店舗売却と閉店の具体的な手続き

賃貸借契約書の内容を把握したら、いよいよ具体的な手続きを進めていきます。閉店・売却に関わる手続きは多岐にわたりますが、ここでの丁寧な対応が後のトラブル防止とスムーズな店じまいに繋がります。売却のステップと閉店手続きを時系列に沿って解説します。
1. 管理会社(貸主)への「相談」と居抜き承諾
閉店・売却プロセスの中で、最初に行うべき最重要ステップです。ここでのポイントは、「解約通知」ではなく「相談」という形でコンタクトを取ることです。
もし、まだ閉店の最終決断に至っていないのに解約通知と捉えられてしまうと、原状回復を前提とした手続きが進んでしまい、後戻りが難しくなる可能性があります。「閉店を検討しているのですが、相談させてください」という形で切り出し、以下の2点を確認しましょう。
- 居抜きでの明け渡しが可能かどうか
- 後継テナントを探して良いか
もし居抜きでの明け渡しが可能であったり、後継テナント探しを許可してもらえたりするようであれば、すぐに専門業者に依頼し、造作譲渡で店舗を引き継いでくれる方を探してもらうことをお勧めします。これにより、原状回復費用の削減だけでなく、造作譲渡金を得ることで閉店費用を補填し、さらには利益に転換することも可能になります。
2. 専門業者への査定依頼と買い手募集
貸主から居抜き売却の承諾を得たら、速やかに専門業者へ査定を依頼します。この際、以下の書類を事前に準備しておくと査定がスムーズに進みます。
- 賃貸借契約書
- 平面図・内装工事の明細書
- リース契約書(リース設備がある場合)
- 直近の売上・損益データ(M&Aを検討する場合)
査定後は、専門業者が買い手の募集を開始します。インターネットで広く募集する方法と、従業員や常連客に知られないよう登録会員のみに公開する「非公開(クローズド)募集」の2種類があります。営業中の店舗の場合は、情報漏洩による影響を考慮して募集方法を選びましょう。
また、査定額を少しでも上げるために、厨房の油汚れを清掃するなど、内覧前に清潔感をアピールできる状態に整えておくことも有効です。
3. リース会社への確認と関係各所への連絡
買い手募集と並行して、関係各所への連絡も進めていきます。
リース契約会社
リース契約している設備がある場合、リース品の所有権はリース会社にあるため、勝手に売却することはできません。以下のいずれかの対応が必要です。
- リース残債を一括返済して所有権を取得し、他の設備と合わせて売却する
- リース契約を買い手に引き継いでもらう(リース会社の同意が必要)
どちらの方法が適切かはリース会社や買い手の意向によって異なるため、早めに確認を進めましょう。
取引先・仕入れ業者
閉店に伴い、仕入れの停止や在庫処分の相談を行います。業者との関係を良好に保つためにも、誠実な対応を心掛け、必要に応じて在庫の引き取りや返品の手続きを進めましょう。
在庫・食材の処分と閉店セール
閉店が決まったら、食材・在庫の処分計画を早めに立てましょう。閉店前に閉店セールを実施することで、在庫を現金化しながら常連客への感謝を伝える機会にもなります。売れ残った食材は、フードバンクへの寄付や廃棄業者への依頼で処分します。
ゴミ回収委託業者・厨房機器の買取
業務終了に伴い、契約の解除や回収スケジュールの調整が必要です。閉店作業に伴い通常よりも多くの廃棄物が発生する可能性があるため、事前に業者と相談し適切な対応を依頼しましょう。粗大ゴミや厨房機器の回収が可能かどうかも確認しておくことが大切です。
なお、厨房機器や備品は廃棄するだけでなく、買取業者に査定を依頼することで現金化できる場合があります。業務用冷蔵庫・ガスレンジ・食器洗浄機などは中古市場での需要が高く、状態が良ければ数万円〜数十万円の買取価格がつくケースもあります。複数の業者から見積もりを取り、比較検討することで少しでも高値での売却を目指しましょう。
ただし、居抜き売却では厨房機器ごと造作譲渡するケースが多いため、個別の買取と居抜き売却のどちらが有利かは状況によって異なります。買取収入を活用することで廃棄費用を相殺し、手残り金額を増やすことも可能です。専門業者に相談しながら最適な方法を判断しましょう。
保険会社
火災保険や賠償責任保険など、店舗運営に関連する保険契約の見直しや解約手続きを行います。契約内容を確認し、無駄な保険料の支払いを防ぎましょう。
公共機関(電気・ガス・水道)
契約解除手続きを進め、最終的な使用量の確認と清算を行います。閉店日に合わせて手続きのタイミングを調整しておきましょう。
レンタル品
返却期限や条件に従って適切に対応しましょう。返却が遅れると追加料金が発生する可能性があるため、早めの対応が求められます。
4. 最もデリケートな「従業員への対応」
従業員対応は、閉店プロセスにおいて最もデリケートかつ重要なステップの一つです。
情報開示のタイミングに注意する
早すぎる段階での情報開示はスタッフの不安を煽り、離職につながるリスクがあります。一方で、直前の告知では信頼関係を損ねる可能性があります。売却交渉の進展に応じて段階的に情報を共有し、スタッフの心理的負担を軽減する配慮が重要です。
雇用継続・再就職支援を誠実に行う
居抜き売却の場合、雇用契約は引き継がれないため、閉店通知・解雇手続き・最終給与の支払いなど、労働基準法に基づく対応を適切に行う必要があります。一方でM&Aによる売却の場合、スタッフの継続雇用は買い手にとっても大きなメリットとなるため、買い手と処遇について十分な協議を行いましょう。
再就職支援として、人材紹介会社への登録を斡旋するなど、可能な限りのサポートを提供することが、経営者としての誠実な対応です。弊社フードコネクションでは人材紹介業も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
5. 条件交渉・造作譲渡契約と物件引き渡し
買い手候補が現れたら、具体的な売却条件の交渉を開始します。価格だけでなく、以下の点も明確にしておくことで、後々のトラブルを防ぐことができます。
- 引き渡し日はいつか
- 店内の私物(皿・調理器具など)はどこまで残すか
- リース品の取り扱いはどうするか
- 設備の故障や不具合の有無
条件に合意したら、売り手と買い手で「造作譲渡契約書」を締結します。契約書には、譲渡対象物件のリスト・金額・引き渡し時期などを明確に記載します。また、売却後に設備が故障しても売り手が責任を負わない「契約不適合責任の免責」条項を入れるのが一般的です。
物件引き渡し時には、買い手と貸主が新たな賃貸借契約を締結し、同時に売り手の契約を合意解約します。電気・ガス・水道の名義変更手続きを行い、鍵を引き渡して完了となります。
6. 飲食店の廃業届と行政機関への届け出一覧

閉店・売却と並行して、公的な手続きも進める必要があります。これらの届け出は法的手続きを完了させる上で不可欠です。閉店日に向けて、以下の機関への手続きを忘れずに進めましょう。
| 届け出先 |
手続きの内容 |
| 保健所 |
飲食店の廃業届(営業許可の返納)手続き・必要書類の提出。閉店日までに手続きを完了させましょう |
| 消防署 |
消防設備の点検・撤去が必要な場合の手続き |
| 税務署・税事務所 |
廃業届(個人事業の開業・廃業等届出書)の提出・税務申告・事業停止に伴う法的手続き |
| 公共職業安定所(ハローワーク) |
従業員の解雇に伴う雇用保険の手続き |
| 労働基準監督署 |
従業員の解雇に伴う労働法に基づく手続き |
【廃業届について補足】
個人事業主の場合、税務署への「廃業届(個人事業の開業・廃業等届出書)」は、廃業日から1ヶ月以内に提出する必要があります。また、保健所への廃業届は各自治体によって書式や提出方法が異なるため、管轄の保健所に事前に確認しておくことをお勧めします。法人の場合は、これらに加えて法人の解散・清算手続きが必要になるため、税理士や司法書士への相談を検討しましょう。
これらの手続きは、閉店日から逆算してスケジュールを組み、漏れなく対応することが重要です。手続きの優先順位や期限については、各機関に事前に確認しておくと安心です。
手続きが多くて何から動けばいいか分からない方も、フードコネクションが閉店から売却まで全面サポートします。まずはお気軽にご相談ください。
飲食店の閉店・売却に関するよくある質問

Q1. 飲食店の閉店にはどのくらいの費用がかかりますか?
A. 閉店費用は店舗の規模や契約内容によって大きく異なりますが、主な費用項目と目安は以下の通りです。原状回復・スケルトン工事が坪10〜20万円、解約予告期間中の空家賃が月額賃料×3〜6ヶ月分、産廃・廃棄物処理費用が10〜30万円程度、リース残債の精算が契約による、従業員の退職金・未払い賃金精算が人数・勤続年数によります。小規模な店舗でも合計100万円以上、規模によっては500万円を超えるケースもあります。ただし、居抜き売却を活用することでスケルトン工事費用をゼロにできるだけでなく、造作譲渡金を得られる場合もあります。詳しくは本記事の「閉店費用の全体像」をご覧ください。
Q2. 飲食店を閉店する際、何から手をつければいいですか?
A. 最初にすべきことは「賃貸借契約書の確認」です。解約予告期間・原状回復の範囲・居抜き売却の可否(特約条項)の3点を確認した上で、閉店の決断と同時に専門業者へ相談することをお勧めします。重要なのは「大家さんへの解約通知を出す前」に動き始めることです。解約通知を出してしまうと原状回復を前提とした手続きが進み、居抜き売却の交渉が難しくなる場合があります。具体的なやることリストは本記事の「閉店・売却でやることリスト」をご覧ください。
Q3. 飲食店の閉店と廃業は何が違いますか?
A. 「閉店」は店舗の営業を終了することを指し、必ずしも事業や会社の解散を意味しません。一方「廃業」は事業そのものを終了することを指します。個人事業主の場合、廃業すると税務署への廃業届(個人事業の開業・廃業等届出書)の提出が必要になります。法人の場合は廃業に加えて法人の解散・清算手続きが別途必要です。飲食店を居抜き売却やM&Aで譲渡する場合は「閉店」であっても「廃業」にならないケースがあります。
Q4. 飲食店の明け渡し時に原状回復は必ず必要ですか?
A. 賃貸借契約書の内容によりますが、多くの事業用物件では原状回復(スケルトン戻し)が義務付けられています。ただし「必ず」というわけではなく、貸主との交渉によって居抜きでの明け渡しが認められるケースも多くあります。貸主にとっても次のテナントが早く決まることで空室期間が短縮されるメリットがあるため、丁寧に交渉することで承諾を得られる可能性があります。解約通知を出す前に、まず「相談」という形で管理会社にコンタクトを取ることが重要です。
Q5. 飲食店閉店時の厨房機器や備品は買取してもらえますか?
A. はい、状態が良ければ買取業者に査定を依頼することで現金化できる場合があります。業務用冷蔵庫・ガスレンジ・食器洗浄機などは中古市場での需要が高く、数万円〜数十万円の買取価格がつくケースもあります。ただし、居抜き売却を行う場合は厨房機器ごと造作譲渡するケースが多いため、個別の買取と居抜き売却のどちらが有利かは状況によって異なります。専門業者に相談しながら最適な方法を判断することをお勧めします。
Q6. リース契約中の設備がある場合、閉店時はどうすればいいですか?
A. リース契約中の設備はリース会社が所有権を持っているため、勝手に売却することはできません。対応方法は主に2つです。1つ目はリース残債を一括返済して所有権を取得し、他の設備と合わせて売却する方法、2つ目はリース契約を買い手に引き継いでもらう方法(リース会社の同意が必要)です。どちらが適切かはリース会社や買い手の意向によって異なるため、閉店を検討し始めた早い段階でリース会社に確認することをお勧めします。
Q7. 飲食店を閉店する際、従業員への対応はどうすればいいですか?
A. 従業員への対応は閉店プロセスの中で最もデリケートなステップです。情報開示のタイミングは慎重に判断し、売却交渉の進展に応じて段階的に共有することで、スタッフの不安や早期離職を防ぐことができます。解雇手続き・最終給与の支払いは労働基準法に基づいて適切に行う必要があります。M&Aによる売却の場合はスタッフの継続雇用が維持されるケースも多いため、従業員を守りたい場合はM&Aという選択肢も検討してみてください。
Q8. 飲食店を居抜きで売却するのにどれくらいの期間がかかりますか?
A. 平均して3ヶ月から6ヶ月程度かかります。どんなに早くても1〜2ヶ月は必要です。期間が長くなる主な理由は、買い手探し・貸主の承諾取得・契約手続きにそれぞれ時間がかかるためです。賃貸借契約の解約予告期間(多くの場合3〜6ヶ月前)と売却にかかる期間を合わせて逆算し、閉店を決断した段階ですぐに専門業者へ相談することが、空家賃の発生を防ぐカギになります。
Q9. 飲食店を閉店する際、お客様や取引先への告知はどのように行えばよいですか?
A. 顧客への告知は、閉店日の2〜4週間前を目安に店頭への貼り紙・SNS・ホームページなどで行うのが一般的です。告知内容には「閉店日」「これまでの感謝」「お問い合わせ先(必要な場合)」を含めましょう。取引先・仕入れ業者への通知はより早めに行い、最終発注日や在庫の引き取り・返品の手続きについて個別に相談します。居抜き売却やM&Aで事業を譲渡する場合は、売却交渉中の情報漏洩を防ぐため、契約締結後に告知するタイミングを専門業者と相談して決めることをお勧めします。
Q10. 飲食店を閉店・廃業した後、帳簿や書類はどのくらい保管が必要ですか?
A. 法人の場合、会計帳簿や決算書類は会社法により10年間の保存義務があります。個人事業主の場合は、青色申告であれば帳簿類を7年間、白色申告であれば5年間保存する義務があります。廃業後も税務調査の対象となる場合があるため、書類は廃業後も適切に保管しておきましょう。電子データとして保存することも認められています。
Q11. 借入金・融資が残っている状態で飲食店を閉店することはできますか?
A. 借入金が残っている状態でも閉店することは可能ですが、必ず金融機関への報告が必要です。黙って閉店してしまうと信用を大きく損ない、次の融資を受けにくくなるリスクがあります。閉店後も月々の返済を続けることが基本ですが、返済が困難な場合は金融機関に相談することで、返済条件の変更(リスケジュール)に応じてもらえるケースもあります。居抜き売却やM&Aで得た売却益を返済に充当することで、借入残高を圧縮できる場合もあるため、専門業者への相談をお勧めします。
まだ疑問が解決しない方・自分のケースで相談したい方は、フードコネクションに直接お聞きください。無料でご相談いただけます。
飲食店の閉店手続きまとめ:専門家と共に損失を利益に変える!

飲食店の閉店手続きは、多岐にわたるステップを同時進行で進めていく必要があり、経済的な負担だけでなく、経営者としての心的負担も大きくなるものです。
本記事で解説してきた内容を、最後に整理します。
- 閉店費用の全体像を把握する
スケルトン工事・空家賃・産廃処理・リース残債など、通常閉店では100万円以上の費用が発生するケースが珍しくありません。まずは費用の全体像を把握した上で、対策を講じることが重要です。
- 「店舗売却」で損失を利益に変える
居抜き売却を活用することで、高額なスケルトン工事費用をゼロにできるだけでなく、造作譲渡金として現金を得ることも可能です。さらに事業としての価値がある場合は、M&A(事業譲渡)によってより高額な売却も期待できます。
- スケジュールは「逆算」で動く
売却には平均3〜6ヶ月必要です。解約通知を出す前に専門業者へ相談し、空家賃が発生しないよう逆算してスケジュールを組むことが成功のカギです。
- 賃貸借契約書を必ず確認する
期間内解約・原状回復・特約条項の3点を解約通知前に確認し、貸主との認識のズレをなくしておくことが損失回避の第一歩です。
- 手続きは漏れなく、誠実に
関係各所への連絡・行政機関への届け出・従業員への対応など、すべての手続きを誠実に進めることが、経営者としての信用と評判を守ることにつながります。
冒頭でお伝えした通り、何も知らずに賃貸借契約書の通りに閉店を進めてしまうと、原状回復費用などで大きな損失が出てしまいます。しかし、管理会社や私たちフードコネクションのような店舗売却の専門業者に相談しながら閉店業務を進めることで、閉店に伴う損失を最小限に抑え、将来のビジネスチャンスを損なわないようにすることが可能になります。
「閉店」という決断は、決してネガティブなものだけではありません。適切な手続きと専門家のサポートによって、あなたの飲食店が持つ価値を最大限に引き出し、次のステップへの糧に変えることができます。
まずはお気軽にご相談ください。フードコネクションが、閉店から売却まで全面的にサポートいたします。
この記事の監修者

私が責任をもってサポートします
株式会社フードコネクション
ミセウリ担当 浅輪 義博
「元居酒屋店長、だからあなたの痛みがわかります。」
私自身、店長として現場を指揮していた経験があるからこそ、オーナー様がお店にかける想い、そして閉店を決断する際の苦悩が痛いほどわかります。
飲食業界と不動産仲介の両方を経験したプロとして、ただ手続きを進めるだけではなく、オーナー様の想いに寄り添い、金銭的にも精神的にも「損をしない」最善の撤退方法をご提案します。一人で悩まず、まずはお話をお聞かせください。
- ◎ 株式会社KIDS HOLDINGSにて居酒屋店長を経験
- ◎ 株式会社レインズインターナショナルで加盟店開発営業に従事
- ◎ 株式会社テンポイノベーションにて、出店サポートを経験